結鎮祭礼は一年間分霊を祀る頭屋が本来の主役。昔はブリの煮物にゴボウとカズノコを添えたものと角飯(かくめし)、夜には塩(餡)餅を振る舞われたといいます。ムシメシ(蒸し飯)とも呼ばれる四角と丸い形に模られた角飯は応仁の乱の頃から下田に伝わる料理で、急いで作らねばならなかったから蒸した状態で武士が戦に持って行った携帯食だったといわれます。戦中の食糧事情の悪化とともに、今ではブリの煮物、ゴボウ、塩漬カズノコもなくなり、塩餅も紅白餅に変わって餅を配るだけになってしまったと長老はおっしゃる。お旅所となる頭屋の家ではヒモロギを作り鹿島大明神を奉り、その前にムシメシなどの神饌が並べられる。結鎮宮座の一老は奉奏文や由緒祭文を浪々と歴代の故事を読みあげて神事が執り行われます。そのあと神主のお祓いで清められ、自治会長、神主、頭屋の玉串奉奠。厳粛に神事を終えた座衆らは神さんとともに語らい食事する直会で寛ぎます。(H19.01.26撮影) |