旧暦閏年(五月が二回ある年の旧暦五月一日)の庚申さんの塔上げ(トアゲ)といって村の行事が始まった桜井市上の郷の瀧倉地区。3年ぶりのトアゲに昼からは各垣内で分担してオソナエを作る。かって上垣内、鳥居堂垣内、中垣内、峠垣内の4垣内だったが鳥居堂垣内の住民が上垣内に移ったころから統合して3上垣内で作られるようになった。庚申さんのオソナエは丸竹三本仕立ての「花立て」、箒をひっくり返したような形状に上から藁で編んだ円形のものをつけた「ゴクダイ」、青面金剛に帰依する杉の葉を付けた「青面金剛杖」の三本からなり、現在はその一対で構成される。「青面金剛杖」は幹を削って「天地、日、月、木、火、土、水奉供養、金剛天下国家五穀成就、無病息災、交通安全、講中垣内(名)」と墨書されている。裏にはその年の日付けに「塔上斎行」と記される。以前は「ゴクダイ」の円形の上に細長い重箱(コジュウケイと呼んでいる)にモチを入れて供えたという。瀧倉の権現桜から急な細道を100mほど下っていくと薬師堂の前にある庚申さんの石仏が現れる。庚申さんの周りに一対のオソナエを挿し、お灯明や線香に火を点けて長老六人衆が般若心経3巻唱えます。広げたシートに座った村人たちも手を合わせて静かに祈るトアゲの会式。雷が鳴っていつ雨が降り出すかと心配されたが会式は無事に終了した。平野部では落雷や雹が降るなど被害があったというが上の郷は庚申さんのご加護があったようだ。なお、近村の芹井でも同じようにトアゲのオソナエを奉っている。いずれも朽ちるまでそのままにしておくという(H21.5.24撮影)
瀧倉 「花立て」、「ゴクダイ」、「青面金剛杖」
【瀧倉 「花立て」、「ゴクダイ」、「青面金剛杖」】
瀧倉 「トアゲの会式」
【瀧倉 「トアゲの会式」】
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