奈良県東部の山間部には古い形式を残す祭りがあります。奈良市邑地町の水越神社秋祭りの宵宮では田楽をはじめとして翁舞や相撲などの神事芸能が奉納されます。近世の秋祭りでの姿を今に伝えるものとして、大変貴重なもので県の無形民俗文化財に指定されています。夜、渡御衆の12人のお渡りの行列が神社に到着したのち、拝殿に上がり神拝(じんぱい)と呼ばれる神事芸能が始まります。
拝殿前方の二人が扇を取り出して、床を煽いでから広げた扇の上に楽器を乗せます。床を煽ぐのは祓って清める意味があると言われています。衣装の袖を掴んで笛の音に合わせて上体を大きく左右に振る「袖神楽」という所作をします。(H17.10. 8撮影) |