宵宮の龍王祭を終えた一行は八幡神社に戻ってくる。社務所では座衆が登って会計報告。その間、龍王社の神主の親族らは、参籠所でパック御膳などを配膳して直会の場作りに忙しい。中央に座った龍王神主の両脇には八幡神社の神主と座の長老が座る。席に座ると親族がお酒を注いで回る。直会はこのようにして酒を注ぎ回るので単なる宴会ではないと座衆はいう。八幡神社の儀式では式使(しきじ)さんがそれを勤める役目なのだが今日は親族が酒杯役。それはこの儀式が龍王社の祭礼であるがゆえに式使は座衆とともに直会でよばれることができるのだ。時も経過すると謡の時間。「羽衣」や「鞍馬天狗」などが謡われる。「鶴亀」や「猩々」などがあるが自分の好きな謡を披露する。「千秋楽」の謡いになれば、式使は神主の前に三段に積まれた朱塗りの酒盃を差し出し酒を注ぐ。どの大きさの盃を選ぶかは神主が決める。最初に二献を注ぐ。盃は手に持ったままだ。万歳楽、万歳楽と謡も千秋楽。もう一献注げばぐいと一息で飲み干す。直会の場の儀式は龍王社の神主と正式に認めたとするもので、無事に宵宮祭典を終えた昇格祝いの「神主成(かんぬしなり)」と称している。(H21. 4.16撮影) |