新年を迎える歳神さんは穀霊と考えられる場合が多いが、民間信仰では祖霊や自然の精霊だったり、地域によって様々である。門松を立てたり、注連飾りを取り付けてその歳神さんを迎える標をしておく習わしは現代も続いている。前夜まで火の用心、カチ、カチと拍子木を打っていた大和郡山市伊豆七条町。一週間前から小学4年から6年生の男児が楽しみにしている福丸迎えの行事が行われる。日が沈むころ集まった男児6人は2mばかりの青竹を持って地区55軒を一軒ずつ巡り、門口で青竹の先を地面につけて「フクマール、コッコッコー」と唱和する。コッコッコーの発声数は決まっていないが、徐々にボルテージがあがっていく。最高潮に達すると、家の方がやってきてお駄賃やお菓子を子どもに手渡す。良いお年をと声をかけると次の家に向かう。門口にはワラ火を燃やすのだが、強風となった今日は燃やす家は少ない。ドラム缶や壁際でするなど各家で工夫されている。また、ワラが手に入らない家も多くなり凡そ半分ぐらいやなと話す経験男児。服忌の家は飛ばして全ての家を廻り終えるとトヤの家で分け前をきっちり精算する。山添村や宇陀市室生の山間部でみられる福丸迎えは今でも盛んに続けられているといい、大和盆地最西端に位置する伊豆七条は子どもだけで行われるもので、たいへん貴重な民俗行事のひとつである。福丸迎えの子どもらは歳神さん(福丸)の使いの者。「コッコッコー」は「来い、来い」が訛ったものと考えられている。(H19.12.31撮影)
伊豆七条町 「福丸こっこっこー」
【伊豆七条町 「福丸こっこっこー」】
伊豆七条町 「福丸駄賃」
【伊豆七条町 「福丸駄賃」】
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