古来、食べ物は柏木の葉に盛って食していた。その食べ物を執り扱う人をカシワテと呼び、宮中の饗饌を調進する官人だった。古来よりカシワテの一族が住まいしていたという橿原市の膳夫(かしわて)地の南西に鎮座する三柱神社(みはしらじんじゃ)。宮講の巡拝を終えた一行は拝殿に登壇し、本殿から見て左に左座、右に右座が座する。大御幣とヒモロギを立てかけると神事が始まった。祓えの儀、献饌、大祓詞、祝詞奏上、鈴祓いのあとにヒモロギから御霊を外して本殿に祀られる遷座の儀。宮司の祭儀を終えると両座頭屋はヒモロギを手にもって同じように拝殿の中に納める。右、左座の順で玉串奉奠を行い、撤饌すると拝殿でお神酒をいただく直会だ。祭礼は終わったがひといきつく間もなく両頭屋は家座敷に戻ってパック御膳の振る舞い。そのあとに祭壇などを次頭屋へ持っていく引き渡し。吉野川で拾ってきた石を近くの米(よね)川に捨てにいってようやく役目を終える。(H20.10.28撮影)
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